セルロイドとアセテートのメガネフレームの特徴と長所を解説

最終更新日:2019/01/13

メガネのフレームは、大きく分けると金属系フレームとプラスチックフレームに分類されます。
そして、プラスチックフレームには見た目は同じように見えますが、セルロイドとアセテートという素材がありますが、この素材の違いはどのようなことがあるのでしょうか?

セルロイドとアセテートのメガネフレームの違いや特徴をご紹介します。

パッと見は同じように見える2つ素材。
どんな点が特徴なのか、どんな長所があるのか、比較していきます。

セルロイドとアセテートの違い

セルロイドとアセテートはもともとは同じ素材からできています。
もとはどちらも綿やパルプで、植物性の繊維を原材料にしています。

これらの天然素材に色々なものを混ぜてプラスチックへと加工していきます。

セルロイドやアセテートはそれぞれメリットやデメリットなど特徴が異なっており、セルロイドは弾力性があり硬質で、独特の艶があり見た目に優れているというメリットがあります。

一方アセテートは透明度が高く着色しやすい材質で加工が行いやすいというのがメリットである素材です。

これらを見ていくとメガネのフレームをどんなものにしたいかで選ぶ素材は変わってきそうです。

色のきれいなフレームにしたいならアセテートを使うほうがいいですし、劣化しにくいフレームにしたいならセルロイドを使っているフレームを探すほうがいいですね。

ですがセルロイド製のフレームは昨今あまり見かけなくなりました。

セルロイドとの違いはアセテートの方が熱に強い

セルロイドフレームが衰退した原因は発火性があり、ニオイがあるという部分が主な原因です。

もともとアセテートが出てくる前はセルロイドがプラスチック製フレームの素材であり、そこからセルフレームと呼ばれるようにまでなりましたが、この素材はその発火性とニオイで敬遠された後、国際取引が禁止され使用禁止となる国や地域の出現により一気に衰退しました。

そのため今でもセルロイドフレームを扱うブランドはごく少数のこだわりのあるところに限られています。

セルロイドフレームにこだわる理由は先述したメリットと、個人で差のある顔の形に合わせて、その人の顔に沿った形に自然にフィットする特徴があるため、そういった優れた点を好んでずっとこだわり続けているのだと思います。

日本ではもう見かけることの難しいフレームとなりましたが、日本にもまだこのセルロイドフレームを扱うブランドはいくつかあります。

セルロイドが減った原因にはロット数も影響

セルロイドは発火性やニオイだけでなく他にも敬遠されてしまう要因がありました。

それはロット数の大きさです。

セルロイドはカラフルでいろいろな模様を作ることが出来るうえ、丈夫で変形しにくくツヤがありとてもいい素材です。
ですが、ロット数が大きい、ということは一度にとても莫大な数の同じモデルのメガネを作ることになってしまう、という欠点があったのです。

大量生産をできるといえば聞こえはいいですが、顔の形や好みは千差万別で、同じ形のものが何万個もあっては順調に売りたくともそもそもかけられないという人も出てきますから売り切るのは難しいです。

メガネ屋さんで同じ色のメガネばかり並んでいるとなかなか奇異なお店になりますね。
メガネ屋さんは多種多様な品揃えでなければならないために、ロット数が大きいことは欠点にしかなりえませんでした。

このロット数の大きさも影響してセルロイドはフレーム素材としては衰退していったのです。

セルロイドとアセテートの加工のしやすさの違い

セルロイドとアセテートは加工のしやすさが大きく違います。
先述した部分にもありますがそれぞれメリットとデメリットが有り、得意なことが違います。

セルロイドのメリット

  • 富んだ弾力性
  • 硬質
  • 独特なツヤと美しさ

●アセテートのメリット

  • 透明度が高い
  • 着色しやすい
  • 加工がしやすい

これらを並べてみたときにそれぞれどんなフレームが出来るのかと考えてみると、セルロイドはアセテートに比べて見た目が美しく頑丈なフレームが作れそうですが、硬いため加工が難しそうですね。

アセテートはセルロイドに比べ硬さと弾力性に劣るため少し強度に不安が残りますが、きれいな発色でカラフルなフレームが作れそうです。
加工もアセテートのほうが容易そうですね。

セルロイドとアセテート、頑丈なのは

セルロイドとアセテートを比べてみるとセルロイドのほうが硬さと弾力性があるため、頑丈といえるでしょう。

ただその寿命もアセテートよりもセルロイドのほうがやや長いくらいです。
セルロイドは汚れにも体制があるため劣化しにくいということも寿命が長くなっている要因でしょう。

セルロイドは材質が頑丈であるとともに、整髪料や皮脂などへの耐性がアセテートよりも強いです。
プラスチックフーレムは使い始めると数年で耳周りなどに白い汚れが付き始めますが、セルロイド製だとこの汚れを磨くことで取ることができます。

いろいろな面からプラスチック製のフレームの主なふたつの素材について見てきましたが、それぞれにメリットとデメリットが有り、色々な経緯があってアセテートが多くなってきていることがわかりました。

自分がプラスチックフーレムのメガネを掛けるときにどちらを選ぶのがいいのか、ということを考える上では外せない知識ですね。

ですがセルロイド製フレームは入手が難しいのが現状で、アセテート製でも全く問題なく使っていけると思いますよ。

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