遠視の眼鏡はどうして目が大きく見えてしまうのでしょうか?この違和感から、かけたくないと子供に言われたときにはどのように説得したらいいのでしょう。
遠視の眼鏡を子供に外したいと言われたときは、家であれば外してもいい?また、遠視の眼鏡はずっとかけ続けないくてはいけないの?
遠視の眼鏡を選ぶときのポイントやコンタクトに変えるタイミングを紹介します。
遠視の眼鏡で目が大きくなる理由
遠視のためのレンズが入ったメガネはかけていると目の大きさが違って見えます。
なぜそういったことが起こるのか、まずは遠視と呼ばれる状態がどんなものか知るところから理由を探っていきましょう。
遠視とは
遠視と呼ばれる状態の目は、目の中で網膜と呼ばれる部分の後ろに見えているものが映る状態を指します。
このような網膜の後ろに像が結ばれてしまう状態になると「遠くは見えやすいが知覚は焦点が合わない」という状況になります。
遠視の症状は凸レンズで補正しますが、常に遠くが見えるように矯正されるので疲労や頭痛が起きやすいという特徴もあります。
では遠視の人は描けることになる凸レンズとはどういったものか、といいますと見た目は名前の通り中央部分が厚みを持った形をしています。
この形は光を一点に集められることです。
虫メガネなども凸レンズの仲間になるので、遠視のレンズとは見え方が異なりますが光を一点に集めるという特徴は同じです。
虫眼鏡で太陽光を一点に集める実験を小学生の時にやったことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
凸レンズで物を見たときには、レンズの形状に沿って中央より外側部分に引っ張られたように見えます。
この特徴が実物のものより大きく広がって見せている原因です。
遠視レンズの入ったメガネをかけると目が大きくなったように見えるのは、凸レンズの外側に大きく広がる見え方が関係していたようですね。
遠視の眼鏡はずっとつけていなくてはいけないのでしょうか
遠視メガネを外している期間が長いと、裸眼の時に見えるように目が調節を働かせることでメガネが合わなくなり、メガネをかけにくくなってしまうのです。
遠視のメガネは原則、お風呂や寝るとき以外はかけていることが望ましいです。
できるだけメガネをかけて生活をすることを心がけましょう。
遠視の場合は大きくなるにつれてメガネが必要なくなる方もいますが、遠視が減る度合いや時期は人によってさまざまで大きく個人差が出るものです。
メガネが必要ならしっかりと使って生活する方が目にも優しいです。
遠視が小さいころからある場合はなおさらメガネをかけた生活をすることをお勧めします。
視力や目の機能をしっかりと発育させるには生まれた直後から三歳くらいまでの、目の発達に関する感受性の最も高い時期に目のピントを合わせる訓練をする方がいいです。
そのため小さいころに遠視が発見された場合は、小さいころからメガネなんてと掛けさせないことが手遅れになる可能性が高いのです。
最終的にはよく見えること、が目標ですのでメガネをしっかりと使っていきましょう。
遠視の眼鏡はどう選べばいい?子供の場合
お子さんのメガネを選ぶ際、様々なメガネの中から何を選ぶのがいいのか悩むと思います。
子どもだと扱いに慣れていないことや、特別扱いが荒っぽいという状態が考えられることもありプラスチックレンズを勧められることが多いですが、もしお子さんが遠視をお持ちの場合はガラスレンズが有利となることもあります。
一般的にお子さんのメガネにプラスチックレンズを勧めることが多いのはガラスレンズだと傷はつきにくいですが重さや割れたときのことを考慮してという理由があります。
昨今出回っているプラスチックレンズはハードコーティング加工がなされていることもあり傷に強くなっているという側面もあり、傷が気になるようになってきたら再度目の検査をして現在の度を確かめて新たなメガネを作るというサイクルを作りやすいことも勧められている理由の一つです。
ですが遠視の場合はレンズの中央が厚くなる形状をしているため、そもそも近視矯正の中央が薄い形状になる凹レンズよりも割れにくいという特徴があります。
そのため割れにくい形状にできる凸レンズを使用する遠視であれば、傷がつきにくく丈夫なレンズとして使えるため、ガラスレンズを使う方がより快適にメガネを使っていけるかもしれません。
最終的な判断や見え方や重さなどをお子さんにかけてもらい体感してもらってお子さんに決めてもらうのが一番だと思いますが、そういった特徴がそれぞれあることを知っておくとよりメガネを選びやすくなるのではないでしょうか。
さらにお子さんのメガネ選びにはお子さんがメガネをかけて生活することにどんな不安があるのか、ということをきちんと掴んでおくことが必要です。
そのためにもカウンセリングをしっかりと行ってくれるお店で購入することをお勧めします。
かけたがらないときには?遠視眼鏡で目が大きくなるのが嫌
急にメガネが必要になり、かけなさいと言われても違和感やわずらわしさでかけたがらないという場合もあるでしょう。
保護者にとっては目が良く見えるようになるのだし、眼科でも言われているからかけてほしいところなのですが、お子さんにとってはただただ煩わしく、かけてなくてもまだ見えてるし!と思っている場合もしばしばです。
お子さん自身が見えないと思っていても、その見えないと感じる不便よりもさらに大きくメガネをかけることに対して不安に思っていることがあるのかもしれません。
オトナから見ると大したことがないことかもしれませんが、お子さんがメガネをかけたがらないときは見えない不便以上にメガネをかけ始めたことでからかわれたりしないか、運動の時に邪魔で満足に動けないなど受け入れがたく思っている理由があるはずです。
ただそうした理由があってもやはりかけてもらわないと困ります。
そうしたときにまず行ってほしいのが、メガネをかけてお子さんの好きなテレビ番組や映画、絵本などを見せてあげることです。
メガネをかけるとこんなに良く見えるようになるのかということをわからせてあげるのです。
実際に筆者はメガネをかけて長いですが、度の合うメガネにかけ替えるたびに「世の中ってこんな色をしていたのか」と驚くことがほとんどでした。
また保護者の方からもお子さんにメガネをかける必要性を説いてあげてください。
何度かかみ砕いて言い含めることでお子さんはお子さんなりの解釈を示してくれるようになるはずです。
その解釈が見つかればメガネをかけることに納得してくれると思います。
オトナでもコドモでも誰しも納得していないことをするのは難しいので、お子さんがメガネをかけることに納得するという状態に持って行ってあげましょう。
遠視眼鏡から目が大きくならないコンタクトに変えるタイミング
見た目で目が大きく見えてしまうから嫌とやっぱりお子さんに納得してもらえなかったら、コンタクトはどうだろうという発想になると思いますが小さいうちからのコンタクトの使用はお勧めできません。
コンタクトが使えるようになるのは中学生くらいからです。
中学生以下のお子さんにコンタクトがお勧めできない理由としては、取り扱いが少々面倒な面があるため清潔を保ったまま使えない場面が数多く想定できる点と、装用中に異常が生じた場合に十分に対処できない可能性が高いからです。
ですがスポーツなどをしているとどうしてもコンタクトレンズが必要になるという場面が出てくることもあるでしょう。
そうしたときはお子さんがコンタクトレンズを使うためにクリアしていなければいけない二点のことを注意してください。
コンタクトレンズを使うために
- 目に合ったメガネを使用しているか
メガネを持っていなければコンタクトは作れません。
コンタクトレンズはメガネの代わりに使うことはできません。
メガネを持たずにコンタクトレンズを使うことは長時間使用や清潔を保てない状態が起きやすいです。
そうした使い方をした場合には目に傷がつき最悪の事態を引き起こしてしまうこともあるでしょう。 - コンタクトレンズの使用にかかわるすべてのことを保護者が付き合えるか。
コンタクトレンズはまずメガネを購入したときの度数をもとに処方され、処方の際にはいろいろな説明を受けることになります。
コンタクトを処方されるとき、コンタクトレンズの付け方や外し方、手入れについて説明を受けますが、その際には必ず保護者が付き添っている必要があります。
さらに日頃から正しい使い方をしているかをくまなくチェックしなければなりません。
保護者がしっかりとコンタクトレンズの使い方を理解しておくことが、お子さんにコンタクトレンズを使ってもらうための絶対条件となるでしょう。 - 定期検査に絶対に付き添えるか
目の異常の有無にかかわらず、コンタクトレンズを使い始めたら1週間後、1か月後、3か月後、さらにその後は3カ月ごとに眼科医の定期検査を受ける必要があります。
成長期のお子さんは度数の変化度合いが大きく、度数以外にもコンタクトレンズのカーブが変更されることもあります。
本人が異常を感じていなくても目薬が出されるということもありますので、お子さんの目の状態を把握するためにも保護者がしっかりと付き添っておく必要があるのです。 - コンタクトレンズの使用時間を守れるか
コンタクトレンズは使う時間を眼科医に指示されるものです。
必要な時だけコンタクトレンズを使うようにしなければなりません。 - コンタクトレンズ装用中に落ち着いて対処できるか
コンタクトレンズを使っている際に突然目にゴミが入ってしまったりすると、コンタクトレンズを外してしまいたくなりますが、そういう時でも必ず手を洗ってからレンズを外す、というような落ち着いた対処が必要になります。
もしそういったことが起こっても冷静で落ち着いた行動や判断ができそうであるか、考えておかなければなりません。
コンタクトレンズを付けて目に異常が起きたときにはすみやかに眼科医で診察を受けられるという環境下であるかどうかも重要な点です。
このような時にも保護者は付き添いをする必要があります。
小さいうちからコンタクトレンズを使うことはこれほど制約のあるものだということ、そしてその制約は大人になってからコンタクトレンズを使う時でもそう減らないことを伝えてみるのもお子さんにメガネをかけることを納得してもらえる説明となるかもしれません。
メガネ、コンタクトレンズ、どちらを使う場合でもお子さんにも保護者の方にも負担の少ないやり方を探していきましょう。